山 行 報 告 | 【記 根来】 |
2005・6/19 県岳連主催 「救助法講習会」 | メンバー 根来 |
ロープでの担架の作り方 | 簡易搬送 | 気道確保 | 心マッサージ | 閉会式 |
1.日時:2005年6月19日(日)9:00〜16:00
2.場所:丹沢大倉 山岳スポーツセンタ−
ここ数年「救急法講習会」に参加しているが、毎回、すこしづつ内容に変化がある。
肺蘇生法において、昨年までは「2回吹き込み15回心マッサージ」を1サイクルとして、4回繰り返して循環のサインを確認する、と教わったが、最近では必ずしも4回でなければならない、というのではなくなっているようである。
今回は気道確保法において、従来の「頭部後屈あご先挙上法」以外に「下顎挙上法」も教わった。「下顎挙上法」は頚椎骨折の恐れのある場合の気道確保には有効な手段である。
ただ、なかなか練習ができにくく難しいので、別な方法として、口の中に親指を入れて下歯列を引き上げれば同様の効果が得られるとのこと。下歯列を引き上げたまま吹込みをするのであるが、かなり呼気が漏れてしまう。それでも行わないよりは、はるかに有効である、とのことであった。
午後からは人口壁の前の芝生の上で、止血法、三角巾の使用方法、三角巾のない場合の緊縛法などを受講。また硬い床の上ではなく、柔らかい芝生の上で現実に沿った感覚で蘇生法の練習も行った。
16時までの予定であったが30分ほど早めに切り上げ、源次郎沢での単独行者の事故の目撃報告、救出報告、反省報告などがあった。救出報告の中で「ヘリを呼ぶか否か」について迷ったが、沢の中のためヘリでの吊り上げが出来ないであろうと判断し、全員で下に下ろして救急車にバトンタッチしたが、思いがけず時間をロスしてしまった、とのこと。
牧野遭難対策委員長から「まず、ヘリを要請する。ヘリでの救出が出来るか否かは、ヘリの救助隊員の判断に任せるべきである。そして、救助隊員の指示に従って行動することが大事である。」との講評があった。
山行において「心肺蘇生法」を使用する場面には殆ど出会わないであろうが、街中でも活用できるので、より多くの方が習得することを望む。1〜2回の受講ではなかなか身につかないので、数多く受講することをお勧めする。
「心肺蘇生法」は重要であり、より多くの方が取得することは重要であるが、一方、山行でより多く発生するであろう、もっと日常的な火傷や裂傷、深い切り傷などの応急手当方法についても講習項目にいれていただくよう検討いただければ幸いである。